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地域の公共図書館には児童書のコーナーがあり…
動物とか工業とかジャンル別になっています。…
…ことになります。というわけで、図書館で…
藤田のぼるの「童話作家のアイウエオ」スタートに当たって
1950年秋田県生まれ。児童文学評論家・作家。日本児童文学者協会副理事長



◇藤田のぼる(ふじた のぼる)
1950年秋田県生まれ。児童文学評論家・作家。日本児童文学者協会副理事長。 聖学院大学他講師。著書に『児童文学への3つの質問』(てらいんく)、『少年少女の 名作案内 日本の文学』(共編、自由国民社)『「場所」から読み解く世界児童文学事典』 (共編著、原書房)など、創作作品に『山本先生新聞です』(岩崎書店)、『錨を上げて』(文 溪堂)『みんなの家出』(福音館書店、2014年度産経児童出版文化賞フジテレビ賞) などがある。小学校国語教科書編集委員、NHK学校放送企画委員なども務める。

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 地域の公共図書館には児童書のコーナーがあり、僕は仕事柄よく利用します。休みの日など、小さい子どもと一緒のお母さんやお父さんもよく見かけますが、僕のように大人が一人で利用するケースはあまり見ません。まあ、あまりおじさんがうろうろしてると子どもたちに不審がられるかもしれませんが、でも児童書を子ども専用にしてしまうのはもったいない。絵本も含め、大人が普通に楽しめる本がたくさんあるのですから。
 ところで、児童書のコーナーは、雑誌を別にして、通常大きく三つに分かれているようです。絵本のコーナー、読み物のコーナー、そしてもう一つが図鑑や学習的な本のコーナーです。このうち絵本は、大体タイトルの五十音順(サイズ別というのが加味されますが)に並べられています。これに対して読み物は、作者の五十音順に並んでいると思います。図鑑や学習的な本は、動物とか工業とかジャンル別になっています。
 さて、このうち僕が問題を感じるのは、読み物のコーナーです。作者五十音順というのは、大人の文芸書や文庫も同じですが、大人の場合はいいのです。例えば宮部みゆきの本を探そうとか、山本一力の新作が読みたいとか、作家別というのが本を探すチャンネルと概ね一致します。ところが、子どもは作者から本を探すということはあまりしません。「ズッコケ三人組」とか「わかったさん」とか、シリーズものの場合は結果的に作者が同じなわけですが、「斉藤洋の新作ものを探そう」などという子ども読者は(皆無ではないでしょうが)ほぼいないと思います。大体、童話作家というのは、名前が意外に知られていません。那須正幹(なす・まさもと)といわれてもわかる人は少ないでしょうが、「ズッコケ三人組」の作者と言われればうなずくことになります。
 というわけで、図書館で児童書を手に取っていただくことをお勧めしても、作家の名前がまるでわからないと困ってしまいます。そこで、特にお勧めしたい、あるいは良く読まれている作家数十人を、これからアイウエオ順に紹介していこうと思います。実は、これは十年ほど前に全家研が発行する月刊「ポピー」の親向け紙「POPY MAMA」に一度連載したのですが、当時のものに加筆したり、新たな作家を加えて、新規版をこの場でスタートさせようと思います。無理のないペースで連載していきますが、少なくとも月に一回はアップしていきたい。本に載っているような「〇年、〇県生まれ、作品に〇〇がある」式ではおもしろくないので、僕が知る範囲でのお人柄なども交えながら紹介していきたいと思っています。アから始める1回目は、「あまんきみこ」さんの予定です。