ホーム>世界の学校こぼれ話 第7回 教育様式① その一

世界の学校こぼれ話 二宮 皓
AkiraNinomiya

【PROFILE】二宮 皓(にのみや・あきら)
1945年、鳥取県生まれ。広島大学教育学部卒。広島大学大学院教育学研究科博士課程中退。大学院在学中米国フルブライト留学(コネチカット大学)。文科省大臣官房調査課、広島大学教授、同大学留学生センター長・教育開発国際協力研究センター長・理事・副学長、放送大学理事・副学長、比治山大学学長などを歴任。専門は比較・国際教育学。著書に『世界の学校』(学事出版)、『21世紀の教育と学校』(協同出版)、『こんなに違う!世界の国語教科書』(監修、メディアファクトリー新書)、『こんなに厳しい!世界の校則』(監修、メディアファクトリー新書)など。テレビ『世界一受けたい授業』への出演なども。

このシリーズは、協同出版発行の月刊『教職課程』に2009 年9月号から2010年8月号までに連載した「放課後の学び舎」を採録したものです。

第7回

教育様式① その一

はじめに

「様式」は様々な側面に使用される便利な言葉であると同時に学問的にも意味をもつ言葉です。建築様式と聞けば、歴史の時間に勉強したヨーロッパの「ゴシック様式」「ロココ様式」など、日本の「書院造り」「数寄屋造り」などを容易に思い出すことができます。生活・生産文化も時代や社会によってその「様式」が異なり、遊牧型の生産様式もあれば、農耕型(定住型)の生産様式もあります。アジア型生産様式とでもいえるものが稲作文化ですね。それぞれの時代や社会を特徴づけるものであり、文化を映すものですね。

「様式」はまた、文化を説明する理論モデルでもあります。類型論がそれですね。「型」を発見することで特定の文化の特色を端的に説明することができます(注)

そこで世界の学校や教育を語る上でこうした「様式」という視点から教育的営みに接近することはできないかと考えてみました。「教育様式」とは学校などの教育の場における教育のスタイルでもあり、教育へのアプローチでもあり、その背後に一定の思想を隠しているものでもあります。


大陸型(ドイツのギムナジウム)


大陸型(ドイツのギムナジウムの生徒)

 


(旧)社会主義型(とムスクの中等学校・放課後のバレー)


社会主義型(キューバの中等学校)

 


英米型(英国の高校)


英米型(米国の高校の生徒指導部)

 

(注)マックス・とウェーバーの「理念型」が有名であり、インターネットで検索すると「支配(正統性)の三類型(伝統的、カリスマ的、合法的支配)」あるいは「都市の類型学」を容易に見ることがことができる。人間の行動についてもたとえば、K.レビンの「リーダーシップの類型(専制型、放任型、民主型)」もある。筆者は、世界の学校の役割(教育課程と生徒指導体制を軸とする)国際比較で、「ヨーロッパ大陸型」「(旧)社会主義型」「英米型」の3 類型を仮説的に世界で初めて学校文化の特徴的なモデル(類型)として提示してきた。わが国は優れて英米型の典型的な学校制度文化となっている。