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教育行政・学校経営の最新情報「教職研修資料」【発行】教育開発研究所

教職研修資料2018/9/11 No.579発行  ※無断転載・加工禁止  【発行】教育開発研究所

学校経営のポイント

学校の危機管理マニュアルの再点検
 小島 宏

 

子どもにとって学校は、安全で、安心な場所でなければならない。ところが、登下校中の誘拐・殺傷・性被害・交通事故、学校での死亡や負傷など悲惨な事件・事故が後を絶たない。

文部科学省「学校の危機管理マニュアル作成の手引」(平成30年2月)などを参考に学校の危機管理を再点検し、事前の予防策を講じ、緊急時の対応を訓練して備え、子どもたちを守り抜きたい。これは、学力向上に優先する。

 

●安全点検の組織的な実施

危機管理の最優先は、子どもの生命である。チーム学校として、いくつかのグループに分かれて組織的に点検する。その際、学校の危機管理マニュアルを手にして、徹底的に行う。

また、教職員だけでなく児童生徒・保護者・地域からも危険情報を得て、学校の点検を補完する。これは、安全への意識を高めることにもなる。

何かことがあってから校長が、いかに深々と頭を下げて謝罪しても、子どもの生命は蘇らないし、保護者の悲しい気持ちは毫も癒されない。

 

●危機を見つける安全点検の視点

総合的かつ分析的に点検をしなければ、欠落が生ずる恐れがある。「危機を見つける」点検を徹底的に行い、可及的速やかに対策・対応の手を打ち万全を期したい。特に、倒壊、破損、落下、事故の恐れがないか点検する必要がある。

<点検1>外壁、校庭・遊具、駐車場
<点検2>校門・門扉、玄関、靴箱、廊下、階段
<点検3>体育館、屋上、プール、防火扉
<点検4>教室、保健室、特別教室、ベランダ
<点検5>エレベーター、掲示板、給食運搬関係
<点検6>飼育小屋、池、花壇、樹木、倉庫
<点検7>通学路の危険箇所(道路状況、踏切、人通りが少ない、落下・倒壊の恐れなど)
<点検8>AED、救急セット、通報システムなど

 

●学習活動中の落とし穴

例えば、屋外や体育館での熱中症、薬品や器具による負傷、校外学習における交通事故など各教科等の学習活動中の事故は少なくない。

十分に準備したつもりの授業であっても、「子どもの生命と身体の安全」という視点から、事前踏査や直前の再確認、状況の変化に応じて学習活動を見直す柔軟な判断と行動が不可欠である。

 

●いじめ、給食、病気も視野に置く

子どもの人間関係の難しさ、健康状態の多様さを考慮した危機意識が必要な時代である。

子どもたちの好ましい人間関係づくりに留意し、いじめに起因する不登校や痛ましい自殺等が起こらないよう学校をあげて取り組む必要がある。

また、給食時の食物アレルギー、心臓などの持病も視野において、教職員全員が共通理解に基づき、適切な指導と的確な対応ができるようにしておき、正確に実行していくことが求められる。

 

●危機管理マニュアルの点検と更新

各学校に危機管理マニュアルはあるが、更新されずマンネリ化していることが少なくない。上記1~8について再点検し、最新版に更新する。

その際、万一緊急事態が生じたときの対応・処置の手順などソフト面についても確認し、教職員全体で共有し、行動できるようにしておく。

危機管理の再点検に関しては、学校だけの考えでなく、教育委員会や消防署・警察署、病院など関係機関の指導・指示・支援を得て、連携し、実効性のあるものとしたい。

 

(こじま・ひろし=元東京都公立小学校長・(公財)豊島修練会理事長)

 

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