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教育行政・学校経営の最新情報「教職研修資料」【発行】教育開発研究所

教職研修資料2018/11/12 No.583発行  ※無断転載・加工禁止  【発行】教育開発研究所

学校経営のポイント

「深い学び」の実現に向けた授業づくり
 小島 宏

 

中教審答申(平成28年12月)や新学習指導要領(平成29年3月告示)のキーワードの一つである「主体的・対話的で深い学び」の「深い学び」を実現するためには、どのように考え、どう実践したらよいものか具体的に考察する。

 

●「深い学び」の意味

中教審答申によれば、深い学びとは、「習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた『見方・考え方』を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう」学びである。

 

●各教科等における「深い学び」

これを算数・数学科でいえば、「既習の数学に関わる事象や、日常生活や社会に関わる事象について、『数学的な見方・考え方』を働かせ、数学的活動を通して、新しい概念を形成したり、よりよい方法を見いだしたりするなど、新たな知識・技能を身に付けてそれらを統合し、思考・態度が変容する『深い学び』を実現すること」ということになる。

このように各教科等における「深い学び」を確認し、理解し、実践化する必要がある。

 

●学びのプロセスの充実

「深い学び」を実現するためには、「問題を解決する」「解釈し考えを形成する」「構想し創造する」など学びの各プロセスを充実させる必要がある。そのためには、「身につけた知識・技能を活用したり、発揮したりして関連づけること」が大切である。

そこで、「課題意識をもった主体的な学びで知識・技能のつながりを生むこと、情報としての知識・技能を対話的な学びによってつなぎ再構成する処理場面を活性化するなど」が重要で、「学習活動を振り返り、体験したことや収集した情報や既有の知識・技能を関連させ、自分の考えとして整理し意味づけ、それを自覚したり共有したりすること」も大切である(参考・引用:田村学『深い学び』東洋館出版社、2018年)。

 

●「深い学び」の具体的な姿

例えば、次のように「深い学び」の実現した姿を想定し、そこに向けて1単位時間(あるいはひとまとまり)の学びを工夫していくと効果的である。

(1)「学習のまとめ」(問題解決の過程で考えたこと、したこと、分かったこと、気づいたことなど)ができる。(2)学習したことと既習事項とをつなげる。(3)一般化する。(4)学習したことを生活や学習で活用する。(5)次の学習につなげる課題を見いだす。(6)自分との関わり(生き方、仕事、キャリアなど)を考え、行動(学習、実行)する。(7)メタ認知(自己評価、何ができる・分かる/何が必要・不足など)をし、自己理解を深める。

これら(1)~(7)などは、「主体的な学び」や「対話的な学び」と「深い学び」を関連させて行うと効果的である。また、課題の理解、自力解決の見通し・解決の実行、学び合い、学習のまとめの各段階で必要に応じて既習事項と現在学習していることとの関わりについて「振り返り」をさせることが重要である。

 

●管理職のリーダーシップ

「深い学び」の実現は、指導計画と授業の不断の評価と改善による教師の授業力の向上に負うところが大きい。そこで、校内研究・研修の質的な面に対する管理職のリーダーシップと、授業観察に基づく日常的な指導・助言が不可欠である。

 

(こじま・ひろし=元東京都公立小学校長・(公財)豊島修練会理事長)

 

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