ホーム>教育行政の最新情報「教職研修資料」-学校経営のポイント-

教育行政・学校経営の最新情報「教職研修資料」【発行】教育開発研究所

教職研修資料 2019/1/11 No.587発行  ※無断転載・加工禁止  【発行】教育開発研究所

学校経営のポイント

道徳科の1年間の実践を次年度の充実につなげる
 小島 宏

 

小学校で、教科書を主たる教材とした道徳科の授業が始まって早くも1年になろうとしている。次年度からは中学校でも本格的に取り組むことになる。

そこで、小学校1年目の実施状況を振り返り、中学校の準備状況を確認して、次年度以降の道徳科の授業の充実を期したい。

 

●道徳教育と道徳科の目標の確認

まず、道徳教育と道徳科の目標を再確認することである。その上で、学校における道徳教育の全体計画を見直して、自校の道徳教育が適切に行われていくようにする。

その際、全教員が、それぞれの担当の視点から見直しと改善に参加できるよう分担することが肝要である。このことによって、教員の当事者意識を喚起するとともに、道徳教育の概要の理解につなげることができるからである。

 

●指導内容を縦と横から確認

次にすることは、小学校低・中・高学年及び中学校の指導内容を概観することである。このことによって、指導内容を横に見て発達段階に応じたABCDの4つのくくりを把握でき、縦に見て発達段階を理解できるようになる(これは、小学校と中学校の学習指導要領解説「特別の教科道徳編」によって容易に知ることができる)。そして、自校の道徳科の年間指導計画が、指導内容(教科書)と授業時数との関連で作成されているか確認し必要な改善をする(ゼロからの出発をせず、教科書の教師用指導書の年間指導計画を学校や児童生徒の実態等に応じて自校流にアレンジすることも考えられる)。

 

●考え、議論する道徳授業

さらに、「考える道徳」や「議論する道徳」とは何をどうすることなのか、教科書の活用の仕方、道徳科の授業展開の基本、問題解決的な学習や体験活動(実体験、ロールプレイ)を取り入れた指導の進め方、道徳科の評価の基本(数値ではなく文章記述、長所や進歩など肯定的評価、他との比較ではなく個人内評価、大くくりの評価)などについて、道徳教育推進教師を中核として、小刻みに、計画的に研修を進めるようにする。

その際、多忙化の抑制を図ることにも留意し、フォーマットや定型文の適切な活用を促す。

また、道徳的課題は算数・数学科等とは異なり「答えのない課題」を扱うことになる。これは、様々な異なる見方・考え方があるということで、「自分勝手でいい」「どうでもいい」「何でもよい」ということではないことに留意する必要がある。

 

●道徳科の学校評価

なお、学校評価の項目に道徳教育や道徳科に関することを取り上げ、教員の評価(うまくいっている、課題がある、不足していることや新たに取り入れることがある)を整理分析する。それに、校長・教頭の情報(授業観察、週案、外部情報)を補足し、次年度以降の充実に向けた進め方を明確にすることも重要である。

 

●校長のリーダーシップ

校長は、以上一連の事柄を道徳教育推進教師(道徳部)や教務主任(教務部)へ指導・助言を行い、チーム学校として全教師で取り組めるようにする。

そして、年度内に次年度以降の課題と方策を具体的に示し、方向性を明確にする。また、新体制になった4月にも再確認する。

 

(こじま・ひろし=元東京都公立小学校長・(公財)豊島修練会理事長)

 

『教職研修資料』のバックナンバーはこちらからご覧いただけます。(教育開発研究所HP)

感想感想をお聞かせください。