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教育行政・学校経営の最新情報「教職研修資料」【発行】教育開発研究所

教職研修資料 2019/3/11 No.591発行  ※無断転載・加工禁止  【発行】教育開発研究所

学校経営のポイント

子どもを守るために学校の危機管理の再確認を
 小島 宏

 

最近、児童虐待やいじめが原因の自死などの悲しい報道に、「なぜ、救えなかったのか?」と絶句することが少なくない。そして、その都度、児童相談所や学校の責任者から繰り返される「心からお詫びします」「第三者委員会を設置して原因を究明します」「再発防止に努めます」という虚しい弁明に胸が痛む。

このようなことが「我が校」に生じないように、危機管理を再確認し、万全を期したい。

 

●子どもの生命の危機管理

元気に登校した子どもが、満足して元気な顔で下校することは当然かつ極めて重要なことであり、子どもの生命の危機管理は、他の全てに優先する。

いじめやトラブル、アレルギー(特に食物アレルギー)や持病・急病に関する事故、授業・給食・休憩・清掃時間や校外学習中の事故、不審者の侵入、登下校中の事故などに対する危機管理体制が十分であるかの確認が必要である。

また、児童相談所、警察署や病院などと連携し、専門的な指導・支援を得ることも重要である。

 

●子どもの人権の危機管理

子どもは、誰もが等しく尊重され、同じように生活や学習をし、公平に扱われなければならない。教師の人権感覚を磨き、子どもの悩みや相談ごと、言語環境の整備、人間関係の指導などについても点検し、適切に対応したい。

 

●情報の危機管理

子どもや教職員、保護者等の個人情報を適切に管理する必要がある。また、学校の情報を効果的に公表し保護者・地域等と連携・協力できる関係づくりに努めることも大切である。

加えて、子どもにスマホやLINE等のSNSに関わる指導を丁寧に行い、ネット社会に生きる能力を育む必要がある。

 

●教育課程の危機管理

子どもに「質の高い学力」を保障することも重要な危機管理である。教育課程のPDCA、授業時数の確保、学級崩壊や授業崩壊の防止を含めた、問題発見・解決学習や「主体的・対話的で深い学び」を実現する授業改善などに関する点検と改善が必要である。

 

●教職員の服務の危機管理

教職員の校務分掌を、その整理統合も含めて点検し、働き方改革を実質的に進める必要がある。

また、職務専念の義務を果たすことは当然として、体罰やセクハラなど信用失墜行為の指導や防止・対応なども重要な危機管理であり、これらについて点検し、必要に応じて改善する。そして、教職員の服務に関する危機は皆無としたい。

 

●保護者等対応の危機管理

保護者の苦情やクレーム、理不尽な要求などが学校・教師を悩ませている状況がある。もちろん、建設的な意見や提案も少なくないが、今や保護者・地域への対応も危機管理の一つである。

保護者等との協力の在り方、クレームへの対応、好ましい関係の構築などについて見直し、全教職員で共有していくことが重要である。

 

●校長のリーダーシップ

以上、いくつかの視点から学校の危機管理を概観した。子どもの生命・身体の安全確保を第一とした学校の危機管理を確実に進めるのが校長の責務である。そこで、危機管理について、状況に応じて適時適切に教職員を指導し、対応させるようリーダーシップを発揮することが肝要である。

 

(こじま・ひろし=元東京都公立小学校長・(公財)豊島修練会理事長)

 

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