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教育行政・学校経営の最新情報「教職研修資料」【発行】教育開発研究所

教職研修資料2019/4/1 No.592発行  ※無断転載・加工禁止  【発行】教育開発研究所

教育行政のポイント

“働き方改革”の新通知
 菱村 幸彦

 

文部科学省は、本年3月18日、事務次官通知「学校における働き方改革に関する取組の徹底について」を出した。

通知は、本年1月25日に公表された「学校における働き方改革」に関する中教審答申を受けたものである。通知は、教師の長時間勤務の深刻な状況を改革するため、できることはすべてやるという姿勢で貫かれており、A4判で本文16ページ、添付資料33ページに及ぶ大部なものとなっている。

 

●勤務時間管理の徹底を図る

通知は、3つの柱で構成されている。

第1は、勤務時間管理の徹底と勤務時間・健康管理を意識した働き方改革の推進である。

通知は、まず、労働安全衛生法の改正により、校長や教育委員会の勤務時間管理の責務が改めて明確化されたことを指摘し、教職員の勤務時間管理の徹底を要請している。勤務時間管理は、自己申告でなく、ICTの活用やタイムカードなどにより、客観的な把握・集計が必要である。

次いで、勤務時間管理に関して文科省の策定した「勤務時間の上限に関するガイドライン」を踏まえた取組を促している。ガイドラインは「超勤4項目」以外の時間外勤務も含めて、1か月45時間以内、1年間360時間以内を目安とする。

さらに、勤務時間管理に当たって、(1)児童生徒の登下校時刻、部活動、学校の諸会議等について勤務時間を考慮した時間設定を行うこと、(2)「超勤4項目」以外の時間外勤務について勤務時間の割振りを適正に行うこと、(3)外部の問合せに留守番電話やメールによる対応の措置等をとることなどを例示している。

このほか、教師が心身ともに健康な状態で教育に携われるよう、労働安全衛生管理体制の整備やストレスチェックの実施、教職員の意識改革に向けた研修や人事評価の取組などを求めている。

 

●教師が担う業務を縮減する

第2は、学校・教師が担う業務の明確化・適正化である。

文科省は平成29年12月に「学校における働き方改革に関する緊急対策」で学校業務を3つに分けて、その対応策を示した。

通知は、それを踏まえて、(1)「学校以外が担うべき業務」(登下校の対応、学校徴収金の徴収など)については、必要に応じて他の主体に対応を要請すること、(2)「学校の業務だが必ずしも教師が担う必要のない業務」(調査・統計への回答、校内清掃、部活動など)については、教師以外の担い手を確保すること、(3)「教師の業務」(給食対応、学校行事、学習評価や成績処理など)については、優先順位を付けて、思い切った改廃や簡素化を行うことを求めている。

その際の留意点として、例えば、(1)研究機関や民間団体からの調査依頼や出展依頼は真に有効なものに精選すること、(2)部活動の指導は、教師の付随的業務として位置づけること、(3)食物アレルギーについて過度で複雑な対応は行わないこと、(4)学校行事を見直し、準備の簡素化を図ることなどを示している。

このほか通知は、学校が作成する諸計画を統合・整理することや、標準授業時数を大きく上回る教育課程の編成・実施を行わないことなども求めている。

 

第3は、学校の組織運営体制の在り方である。

通知は、(1)学校内の委員会は、法令で義務付けられているものを除き、整理統合すること、(2)校務分掌の細分化を避けること、(3)一部の教師に業務が集中しないこと、(4)主幹教諭の授業時数等の軽減を図ること、(5)事務職員の校務運営への参画を拡大することなどを要請している。

 

(ひしむら・ゆきひこ=国立教育政策研究所名誉所員)

 

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