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教育行政・学校経営の最新情報「教職研修資料」【発行】教育開発研究所

教職研修資料 2019/5/13 No.595発行  ※無断転載・加工禁止  【発行】教育開発研究所

学校経営のポイント

新指導要録「通知」をふまえた学習評価
 小島 宏

 

新しい指導要録及び学習評価の改善についての文部科学省の「通知」の趣旨を理解し、全教員で共有化し、効果的に実施する学校経営に努めたい。

 

●校長のリーダーシップ

まず、校長・教頭はリーダーシップを発揮し、「通知」及び各教育委員会の方針や資料などの各種情報を教員に提供し、関心を高めたい。

その上で、教務主任・生徒指導主事などミドルリーダーの活動しやすい環境をつくり、2020(令和2)年度からの実施に向けて、今年度しなければならないことを明確にし、共通理解し、具体的に進めていく。

 

●学習評価の前提条件の確認

学習評価をする前提条件として次の3つの事柄を考慮し、子どもも教師も成長するようにしたい。

〇授業改善を日常化し、子どもを「育てる」充実した授業を行う。〇授業の中で、子どもの「育ちつつある姿」を捉え、指導と評価と支援の一体化に努め、よりよく育てる。〇子どもの「育ちつつある姿」及び「育った姿」を評価する。

したがって、学習評価を「成績を付ける」ことだけに矮小化しないことが必要である。

 

●指導要録と通知表の関係

指導要録は、学校教育法施行規則第24条等によって校長に作成が義務付けられているが、通知表に法的な規定はなく、作成するかどうかを含めて様式や内容は学校の判断によることとなっている。

今回の「通知」では、指導要録と通知表の様式を共通のものにする場合は、「●通知表に、学期ごとの学習評価の記録に加え、年度末の評価結果を追記する」「●通知表の文章記述の評価について、指導要録と同様に、学期ごとにではなく年間を通じた学習状況をまとめて記載する」「●指導要録の『指導に関する記録』の様式を、通知表と同様に学年ごとに記録する様式とする」と示し、それぞれの役割を踏まえることの重要性を指摘している。各学校は、各教育委員会の方針等を踏まえて判断する。

 

●学習評価のポイント

学習評価を効果的に進めるためには、次のような事柄などに配慮することが求められる。

〇日常の授業で「指導と評価と支援の一体化」をして、子どもを最大限に成長させるよう努める。〇子どもの長所、進歩・努力したことなどを肯定的に評価し、自己肯定感を育て、主体的に学習に取り組むようにする。〇教師と子どもと保護者が、評価の基本的な事柄について共有化し、開かれた学習評価とする。〇評価資料(根拠)に基づいた「妥当性」と「信頼性」のある学習評価を行う。

 

●働き方改革への配慮

学習評価を効果的に実施し、子どもの学習改善と教師の指導改善を図ることが重要である。一方で、以下の教師の働き方改革を考慮する必要がある。

〇これまで慣行として行われてきたことを、必要性や妥当性の視点から精査し見直し、必要不可欠でないものは大胆に整理する。〇妥当性と信頼性を担保するために、評価資料の収集・活用は不可欠であるが、方法については合理的、効率的な視点から見直し、簡素化する、〇評価情報(評価の仕方、所見の書き方など)の収集を協働して進め、共有化して活用し、評価教材などは共同で開発し使い回しをする、〇学年会や教科部会など組織的対応(評価規準・指導計画、評価の進め方と点検)をする、〇個人情報保護に留意した上で、ITを効果的に活用する。

 

(こじま・ひろし=元東京都公立小学校長・(公財)豊島修練会理事長)

 

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