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教育行政・学校経営の最新情報「教職研修資料」【発行】教育開発研究所

教職研修資料 2019/9/11 No.603発行  ※無断転載・加工禁止  【発行】教育開発研究所

学校経営のポイント

新学期の子どもの不安や悩みに寄り添う
 小島 宏

 

新学期を、楽しい学校生活や学習が始まると喜ぶ子どもたちがいる一方で、登校したくないと悩んでいる子どもも少なからずいる。

そこで、チーム学校として組織的に、子どもの心身の状況を捉え、適切な対処をすることが求められる。

 

●この時期の顕著な状況

新学期早々の子どもの特異な状況には、次のようなものがあり、不登校の要因にもなっている。

〇生活リズムの乱れ、規律違反、暴力的である

〇学力不振、学習意欲の低下

〇規則正しい学校生活に適応できない

〇こじれた人間関係を引きずっている

〇いじめにおびえている

〇体調不良、不眠症気味、顔色が悪い

〇食欲不振 など。

 

●全教職員の見取り

学級担任、教科担任、養護教諭や教育相談員など全教職員が協力して、子どもを観察し、心身の状況や要注意のサインを見取るようにする。そして、情報を整理・共有し、学級での指導や授業等を通じて、適切な指導・支援に生かしていくようにする。

 

●個に応じた適切な対処

その上で、配慮を要する子どもそれぞれの実情に応じて、きめ細かい相談・支援など「温かい心のこもった手立て」を講じていくようにする。また、「困った子ども」ではなく「困っている子ども」と見て、その困っていることを解消する、乗り越えさせるように対処・支援することが重要である。

その際、学級担任だけでなく全ての教職員が協力・連携して対応することが基本である。もちろん、保護者との協力は当然で、教育相談など関係諸機関の指導・助言も積極的に求めていくようにする。

 

●子どもへの関わり方の改善

さらに、子どもへの関わり方を見直し、「眼をかける(よく見る)」「心をかける(気にかける)」「手間をかける」ということを、日常的にきめ細かく行うようにしたい。これらのことにより、子どもと好ましい関係が築けるとともに、小さなサインも見逃すことなく捉えられるようになり、それが校内の乱れ、不登校、いじめ等を解決する基盤となるからである。

なお、不登校の子どもに対しては、登校を優先する指導を性急に進めることなく、一人一人の子どもの要因に向き合って、悩みを聞き尽くし、その軽減を図ることを丁寧に行うことが大切である。

 

●初任者・若手教員の育成

頑張っているのに、学級の荒れ、不登校、いじめ等に関する対処が十分でない状況が、経験の浅い教員にみられる。管理職や先輩教員は、具体的に指導し、初任者・若手教員の育成に努める必要がある。

 

●教師の働き方改革につなげる

「困っている子ども」の困っている要因に迫り、これを解消することには、多くのエネルギーと時間を要するものである。

そこで、子どもと向き合う時間の確保を優先して、働き方改革の視点から校務分掌のスクラップ&ビルドを検討し、実行していくことが求められる。

 

●管理職のリーダーシップ

校長や副校長・教頭は、管理職目線で、チーム学校としての取組状況を把握し、必要な指導・指示をするなど対策を講じていくことが肝要である。

その際、不十分な事実を基に行うだけでなく、むしろ好ましい事実を紹介し、認め、褒めて、教職員を意欲付けるようにしたい。

 

(こじま・ひろし=元東京都公立小学校長・(公財)豊島修練会理事長)

 

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