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教育行政・学校経営の最新情報「教職研修資料」【発行】教育開発研究所

教職研修資料 2019/11/11 No.607発行  ※無断転載・加工禁止  【発行】教育開発研究所

学校経営のポイント

児童生徒を認め励ます通知表の改善に向けて
 小島 宏

 

通知表に関する法的規定はなく、作成するしないを含め、様式や内容等は学校の裁量である。

文科省「通知」(平成31年3月29日)を踏まえ、特に小学校では、令和2年度からの新学習指導要領の完全実施及び新指導要録の改善に伴い、通知表の様式及び内容について十分に検討して円滑な実施に備えたい。

 

●質の高い授業が前提

通知表で児童生徒の学校生活や学習の状況を保護者に連絡するには、教師が新学習指導要領の下、「質の高い授業」を行うことにより、一人一人に「知識及び技能」を定着させ、「思考力・判断力・表現力等」を育成し、「学びに向かう力、人間性等」を養うことが前提となる。

 

●通知表の役割の再確認

通知表には、「保護者に、児童生徒の学校における生活や学習状況を知らせる。児童生徒に、自身の学校の生活や学習状況を知らせ、自己肯定感を高めるとともに今後の生活や学習に前向きに取り組んでいくことができるよう認め励ます。学校は、指導要録における各教科等の評価の考え方を踏まえ、児童生徒の学習指導の過程や成果などについて適切に評価し、その後の学習支援に役立てる」という役割がある。このことを踏まえ、児童生徒を元気づけ、明日に希望をもたせる温もりのある通知表にする必要がある。

 

●教師の働き方改革との関連

文科省「通知」の「4学習評価の円滑な実施に向けた取組について」に示されているように、統合型校務支援システムの整備により文章記述欄などの記載事項が共通する指導要録と通知表のデータ連動を図ることは教師の事務負担軽減に不可欠である。教育委員会等には統合型校務システム導入の積極的な推進が求められる。

そこで、学校としてもこの趣旨を踏まえ、通知表に関する業務について働き方改革の視点から具体的な改善を進めたい。

 

●指導要録と通知表の関わり

各学校は、文科省「通知」及び教育委員会「基本方針」等を踏まえ、通知表の作成及び様式や内容などについて適切に判断する必要がある。

ところで、現行の制度上でも、学校が定める通知表の記載が、教育委員会が定める指導要録の「指導に関する記録」に記載する事項を全て満たす場合には、教育委員会の判断により、指導要録と通知表の様式を共通のものにすることが可能である。

文科省「通知」では、両者の様式を共通にする際の工夫例として、通知表に学期ごとの学習評価の結果の記録に加え、年度末の評価結果を追記する。文章記述の評価を、指導要録と同様に、学期ごとではなく年間を通じた学習状況をまとめて記載する。指導要録の「指導に関する記録」の様式を、通知表と同様に学年ごとに記録する様式にする、などを挙げている。ただし、その際には指導要録と通知表のそれぞれの役割を踏まえることが重要である。

 

●管理職のリーダーシップ

指導要録や通知表の検討段階で、学習評価の理解が進み、授業の進め方と児童生徒の育ちに教師の関心が向いていくことになる。この意味で、管理職がリーダーシップを発揮し、今年度中に十分研究・検討し、共有化する必要がある。

また、通知表の内容と評価・評定について、保護者や児童生徒に説明し、十分な理解が得られ、活用してもらえるよう配慮したい。

 

(こじま・ひろし=元東京都公立小学校長・(公財)豊島修練会理事長)

 

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