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教育行政・学校経営の最新情報「教職研修資料」【発行】教育開発研究所

教職研修資料 2019/12/11 No.609発行  ※無断転載・加工禁止  【発行】教育開発研究所

学校経営のポイント

実効性ある働き方改革の実現のために
 小島 宏

 

願わなければ叶わない。でも、願っているだけで具体的に行動しなければ実現しない。働き方改革についても同様で、関係機関及び関係者の実現に向けた具体的な検討と行動が必要である。

 

●教師本来の業務の確認

児童生徒に質の高い教育を保障するために、下記の「学校・教師の業務」(中教審「答申」平成31年1月25日)を確認する必要がある。これが教師の働き方改革を進める第一歩になる。

★1学習指導要領等を基準として編成された教育課程に基づく学習指導

★2児童生徒の人格形成を助けるために必要不可欠な生徒指導・進路指導

★3保護者・地域等と連携を進め、教育課程や生徒指導の実施に必要な学級経営や学校運営業務

 

●関連業務の明確化と適正化

次に、関連する以下の事柄についても理解し、これまで慣習的に行われてきた関連業務について検討し、思い切った廃止または改善が必要である。

※1基本的には学校以外が担うべき業務(答申別紙2の①~④の例示を参考にする)

※2学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務(⑤~⑧の例示を参考にする)

※3教師の業務だが、負担軽減が可能な業務(⑨~⑭の例示を参考にする)

そして、働き方改革の一環として、これらの業務の在り方を検討していく。役割分担や適正化を進める際は、可能な限り保護者・地域、関連諸機関に伝え、協力・連携して進めることが大切である。

 

●自校の校務分掌の確認

そこで、現在行われている学校の校務分掌(業務)を洗い出し、「教師本来の業務(★1~3)」と「関連業務(※1~3)」に分類整理する。

その際、教務主任や生徒指導主任、研究主任、学年主任等ミドルリーダーを責任者とするいくつかのグループを編成し、チーム学校として組織的に取り組むようにする。なお、このこと自体が多忙化を招かないように、目的と内容を明確にして、短期間で集中的に行うよう配慮する。

 

●校務分掌の再編

上記の分類整理を受け、教師本来の業務を中核として校務分掌を再編する。このことによって、教師の業務が精選でき、本来の業務に専念できる状況に近づくことができる。

それに加え、関連する業務を「外部に移譲」「事務・用務職員、外部の補助」「廃止」などの視点から検討し、業務の軽減を図るようにする。

 

●管理職のリーダーシップ

業務の精選・再編により働き方改革の実現の見通しがついてくる。しかしながら性急に完璧を求めても実現は難しい。そこで、できることから着実に進めることがポイントになる。

また、出勤・退勤時刻、超勤時間の制限のみを形式的に進めても、持ち帰り残業や本来の業務の遅滞が起き、本質的な改革にはつながりにくい。

管理職は、働き方改革の方向性を示し、その意義を理解させ、教職員の意識改革と意欲付け、行動が起きるようリーダーシップを発揮したい。

さらに、教育委員会への「報連相」をするとともに、保護者・PTA、地域などに、児童生徒に充実した教育をするための働き方改革の理解と協力・連携を働きかけるようにしたい。

 

(こじま・ひろし=元東京都公立小学校長・(公財)豊島修練会理事長)

 

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