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教育行政・学校経営の最新情報「教職研修資料」【発行】教育開発研究所

教職研修資料 2020/10/12 No.629発行  ※無断転載・加工禁止  【発行】教育開発研究所

学校経営のポイント

観点別学習状況の評価のポイント
 小島 宏

 

学習指導要領の改訂に伴い学習評価及び指導要録が改善されたが、観点別学習状況の評価の各観点の趣旨や授業の中での取り扱いがいま一つはっきりしないという声が一部にある。今号では、そのことについて整理したい。

 

●観点別学習状況の評価の観点

新指導要録では、新学習指導要領の下で育成すべき資質・能力の三つの柱に基づき、従来の観点別学習状況の評価の4観点「関心・意欲・態度」「思考・判断・表現」「技能」「知識・理解」が、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に整理された。

 

●「知識・技能」の趣旨と評価

この観点は、次のような趣旨で評価を進める。

○各教科等における知識・技能の習得状況を評価するとともに、それらを既有の知識・技能と関連付けたり活用したりする中で、他の学習や生活の場面でも活用できる程度に理解したり、技能を習得したりできているかを評価する。

○各教科等の特質に応じて評価する。テストでは、「知識の習得状況を問う問題」と「知識を理解しているかを問う問題」のバランスに配慮する。文章で説明する、観察・実験をする、式やグラフで表現するなど実際に知識・技能を活用する場面を設けるなど、多様な方法を取り入れる。

○指導要録の表記例…「~を理解している」「~の知識を身に付けている」「~ができる」「~の技能を身に付けている」など。

 

●「思考・判断・表現」の趣旨と評価

この観点は、次のような趣旨で評価を進める。

○各教科等の知識・技能を活用して課題を解決するのに必要な思考力・判断力・表現力等を身に付けているかどうかを評価する。

○各教科等の特質に応じて評価する。ペーパーテストだけでなく、論述やレポート、発表、グループでの話し合い、作品の制作や表現など多様な活動を取り入れ、それらを集めたポートフォリオを活用するなど評価方法を工夫する。

○指導要録の表記例…「見方・考え方を働かせて探究し、考えたり、判断したり、表現したりしている」など。

○週の指導計画(週案)の作成の仕方、授業の準備と学習評価、子供の学習状況や反応に応じた指 導・支援の仕方について、話題にしたり、相談に応じたり、指導・支援したりする。

 

●「主体的に学習に取り組む態度」の趣旨と評価

新この観点は、次のような趣旨で評価を進める。

○知識・技能を獲得したり、思考力・判断力・表現力等を身に付けたりするために、粘り強く取り組もうする側面と、自らの学習状況を把握し、学習の進め方について試行錯誤するなど自らの学習を調整しながら学ぼうとする意思的な側面を評価する。

○粘り強い取組、自らの学習の調整の2つの側面を一体的に評価する。

○指導要録の表記例…「よりよいものを求めて粘り強く考え、自らの学習を調整し、主体的に知識・技能を身に付けようとしている」「学習したことを生活や学習に生かそうとしている」など。

 

●妥当性・信頼性・客観性の確保

評価に当たっては、評価資料を蓄積し、評価規準を作成して、根拠のある評価をし、次の3点を確保することが重要である。

<妥当性>教育課程に基づき何を評価するかを明確にして、それを的確に評価している。

<信頼性>何回評価しても、誰が評価しても、同じ結果が得られる。

<客観性>評価者の個人的見解が影響しない。

(こじま・ひろし=元東京都公立小学校長・(公財)豊島修練会理事長)

 

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